【絶対絶命!?白根三山】死にかけた甲府の白根三山の思い出![活動編]

もも


序文

今回は、甲府の白根三山の思い出の活動編をご紹介します。皆さんは「雷がすぐそばでなり続けている体験」をしたことがありますか?本物の雷って大気が大きく揺れるんです!さらにその時は、雷+大雨+雹(ひょう)+強風でまさに地獄を見ました。今回は、そんなエピソードをご紹介します!

1日目:甲府駅から広河原エリア

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朝4時起きで、甲府駅からの南アルプス登山バスに乗り、広河原に向かいました。バスは満席ですし、ザックも縦走用でかさばるのでぎゅうぎゅうに詰められている感覚です。

広河原に着くころには、空も明るくなっていて、まさに期待と不安が入り混じった気持ちでした。

今回のメンバーを紹介すると、みんな後輩の男子の合計4人で3日間登山することにしました!みんな細くて若くて頼りになるメンバーだったので、問題はなかったです。

問題があるとすれば、私自身が男子の体力についていけるかということの方が問題で…。まあ、このことは、物語の後半でお伝えします。

バスで広河原に到着し、ご飯も食べて、ザックを整理し、靴紐を固めた頃には出発の時間になっていました。10kg程度あるザックが今回の登山に対する覚悟や責任を感じさせるようで、この時点で正直ビビってました(汗)

さらに、この時点での反省点を1つお伝えすると、今回のザックは本当に重かったです。盲点だったのは、歩荷訓練をしていなかったことです。この登山までに高山病対策として富士山に登ったり、谷川岳に登ったりして足腰を鍛えていたつもりでした。

しかし、10㎏という重さの荷物を背負って急斜面を登り続けるというシチュエーションを考慮していなかったです。なので、開始10分で内心は帰りたかったです(笑)「このまま3日間大丈夫かな?」という不安が一番強かったのは、この瞬間です。

※歩荷訓練:60㎏程度のザックを背負って低山を登り、体力をつける訓練。

1日目:北岳雪渓エリア

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広河原から登山を始めて、気が遠くなるほど歩いた頃に「北岳雪渓ゾーン」に突入しました。雪渓と言っても、夏に雪が残っている訳がないと思っていましたが、本当に雪がありました。快晴で暑さも感じるというのに、雪が残っていて、熱いのか寒いのかわかりません。不思議な体験です。

しかし、このあたりから私がバテてきて…、ペースが落ち始めました。当時の私って、なにの遠慮もなく「ちょっと休憩しよう(><)」ってメンバーに甘えてました!お恥ずかしいです。

でもそんな甘えん坊の私をメンバーはちゃんと理解してくれていました。だから、仲良しの後輩T君が「もも先輩、あとちょっとしたら休憩しましょ?すぐ近くに休めるところあるんで!」って言うので、「そうなの?じゃあ、頑張る(^^)」といった具合で進んでいったのです。

こうやって、あーだこーだ言いながら、上手にT君に乗せられて北岳雪渓エリアをクリアしました(笑)

1日目:北岳山頂エリア

このままのコースで行くと、北岳の山頂に到着するという頃に事態は急変しました。

風が冷たくなり、空が灰色になって、なんだか心も穏やかではありません。そうしているうちに大粒の雨が、シャワーのように降ってきました。「たくさん汗かいたし、こういうのもいいよね」なんて言ってたのも束の間、今度は大粒の雨が、雹(ひょう)になって降ってきました!

私は半袖のままだったので、すぐにレインウェアを着ましたが、本当に寒かったです。8月のど真ん中に雹と冷たい強風ですよ!こんなことってありえます?その時は本当に悪天候過ぎて「これからどうなるの?」という不安でギリギリの精神状態でした。

そんな状況の中、パっと北岳の方を見てみると、もう北岳山頂が大きな雲に包まれていました。まるで、北岳がラピュタの竜の巣に包まれているようでした!!大きな雨雲が北岳山頂に引っかかって、その直下にいる私たちに豪雨が集中しているのです!

その状況を4人で見た時に、全員一致で「北岳スルー」の判断をしました。

その後すぐに、足の早い男子2人にテントを持ってもらい、初日の幕営地である「北岳山荘」に向かってもらいました。しかし私は、そんなに走れる状況ではなかったので、好青年S君と一緒に歩いて北岳山荘にゆっくり向かいました。

1日目:北岳から北岳山荘エリア

自己撮影
二手に分かれる判断をした私たちは、離れた状態でさらに大きな災難に出くわすのです。それが、雷でした。最初は遠くの方でゴロゴロ鳴っている程度でしたが、歩いているうちに徐々に音が近づいてきます。

雨も雹も冷たい風も吹いている中で、大きな雷も聞こえて本当に命の危険を感じたので、大きな岩の近くで停滞することにしました。その時は、雷も本当に大きくなっていたので、金属が入っているザックを遠くに置き、ザックから離れた場所で停滞しました。

私、この活動初日(8月16日)が20歳のお誕生日だったのです。記念すべき20歳のお誕生日を悪天候の中で迎えるなんて…、思わなかったです。そんなことを考えていると、急に今までとは全く違う大きな雷が「ドーーン!」って鳴ったのです。

地鳴りとかいうレベルじゃなくて、大気がずれたとか、雨が大きく震える様子が、はっきりと分かりました!

その瞬間に、「あ、私の人生、20歳の誕生日に終わったわ~」って悟りました…。本気でそれくらい怖かったです!

そしたら急にS君が、「もも先輩!もう行きましょう!」と声をかけてくれました!そこで、目が覚めたというか、前に進むしかないことを悟りました。

登山道は、雨や霧で視界もぼやけて非常に歩きづらかったです。それでも前を先導してくれる後輩S君についていき、初日のゴール地点である北岳山荘に着くことができました。

写真は、北岳山荘に向かう途中にS君が私を気にして何度も振り返ってくれている画像です。持つべきものは仲間です。思い出して泣きそう(TT)ありがとう。

2日目:北岳山荘発

自己撮影
2日目の朝には雨も止み、目の前には絶景が広がっていました。朝焼けの空は、オレンジ色と空色がグラデーションになっていて、遠くに大好きな富士山があるのがわかります。

1日目は、悪天候のため視界0だったので気がつきませんでしたが、私たちは雲の上にいたのです。雲海の上で寝た経験も初めてだったので、朝からテンションがブチ上がりです。雲海に浮かぶ富士山を眺めながら食べた鯖缶も格別で…、一生忘れられない味です。

2日目:間ノ岳エリア

自己撮影
朝食後、2日目の活動が始まりました。今日は、地上3000mの山の上を1日中歩き続けて、山の中で寝ます。

間ノ岳エリアの景色も最高でした!日本一美しい稜線と言われる間ノ岳のエリアを歩けることに感謝しながら、その一日を過ごしました(^^)メンバーと写真を撮ったり、お菓子を食べたり、絶景を見ながらお昼を食べたり、本当にテンションが高かったです。

しかし、注意していただきたいことは、高山病です。今でもはっきり覚えているのですが、別のパーティの方で高山病になっている奥さんがいました。その方は、朝の時点で嘔吐や頭痛を患って、絶景どころではないとのことでした。

私たちの中で高山病になる者はいませんでしたが、やっぱり高山病対策は必須だということが証明されました。

2日目:大門沢下降点エリア

自己撮影
すごく景色はよかったものの、大門沢下降点から私が筋肉痛を感じだしました。1日目の疲労が出てきたのです。ほかの男子は軽快に岩を下りますが、登りよりも下りのほうが、全体重がかかるので辛いです。さらに、10kg程度のザックを背負って、3時間近く下り続けないといけないのは、正直足の骨が折れるかと思いました。

その結果、どんどん全体のペースを遅くさせてしまいました。そのことはメンバーには非常に申し訳ないけど、重度の筋肉痛になってしまうと、足が自分の思うように動かせなくなるのです。

その時は、本気で自分の足で下っていける自信がなくなっていって、1日目の悪天候の時の恐怖とは異なる恐怖を感じました。

2日目:大門沢小屋にて

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そんなことがありながら、2日目も何とかゴールしました!先についてた男子たちは、川で水浴びをしていたようで気持ちよさそうでした。このまま山で生活できそうなくらい、山での生活に適応しています。

しかし、問題は最終日のスケジュールでした。今の私の速度では、予定していた時間のバスに乗ることができません。起床時間や何時のバスに乗るかを考え直す必要が出てきました。

こんな状況にして申し訳ないと思いながら会議の場を設けたら、メンバーは当たり前かのようにスケジュールを変えてくれました。一番ダメージを受けている私に合わせたスケジュールにしてくれて、バスの予定も話し合ってくれました。後輩みんなも積極的に発言してくれたおかげで、あっという間に最終日のスケジュールが決まりました。

その時に学んだことは、登山中はその山に登ったメンバーだけでトラブルを解決しないといけないことです。

先輩だからといって「足が痛んだ」とか「ちょっと休憩したいんだ」とか後輩に言えなくて事故になったら最悪だし、後輩だからって先輩に意見出来なくて黙っとくことは非常に勿体ないことです。

登山中という命が係わる状況で、年齢や性別によって発言権が奪われ、活動が失敗するのは全体のためではありません。全員で山下るために山登るんだから、各人が「自分の意見を必要とされている」という共通認識を持つべきだと感じました。

今回の場合は、その共通認識を当たり前のように持てているメンバーで登山できたことに私は感謝すべきでした。本当に迷惑かけてばかりで申し訳ないけど、トラブルの時にチームの団結力が試されるだなと、2日目の夜にして学ばせてもらいました。

3日目:大門沢小屋発

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最終日は、私のコンディションを考慮した結果、ゆっくりペースで帰ることに決まりました。今までトラブルがあった時は、バラバラでテント場に向かっていたのに、最後はこうやってみんなで一緒に帰ることを選択してくれたことに、優しさを感じました。

しかしながら、最終日の筋肉痛は言葉も出ないというか、筋肉痛の痛みで死んでしまうかと思うくらいきつかったです。歯を食いしばって何とか歩き続けた記憶があります。

やっとのゴール地点まで歩くことが出来て、久々にコンクリートを踏んだ時は、「人間界に帰ってこれた!!」という幸せで涙が出そうでした!本当にみんなに感謝です(TT)


下山後は1人で甲府の温泉に行きました!私が行った銭湯は、甲府駅から7分くらいに位置しているところで、当時流行っていた『テルマエ・ロマエ』という映画の撮影に使われた温泉街にありました。

事前に調べていたのですが、なんとシャワーまで温泉水を使っている銭湯でした。3日分の汗と疲れを流せて本当に気持ちが良かったです。

まとめ

自己撮影
今回の登山で私が学んだ教訓をまとめます。白根三山を登る時や、3日間以上の登山をする時の参考にしてください。

【登山の長期計画で重要なこと】
・各人が、自分の経験や意見が必要とされているという自覚を持つこと。そしてそれは、仲間のためになること!
・白根三山に登る時は、高山病対策と歩荷訓練を実施すべき。体力や耐久力が永久の課題と自覚すべき。
・天候やメンバーのコンディションに合わせて計画を変えられるように、バスの時刻表などは印刷して持ってく。
・装備の耐久性確認。(レインウェア→撥水性能。登山靴→ソール。靴紐→ほつれがないか。等)
・情報や計画と同じくらい、信頼できる仲間が大事。

【最後に】
日帰り登山なら、楽しく登ることを優先してもいいと思います。しかし、3日間以上の登山となると本当に命が関わります。山に登ったメンバーであらゆるトラブルにも対応しなければなりません。

でもそのトラブルを乗り越えることができれば、登山はどんなスポーツより人間が育つ活動だと思います。絶対に1人では出来ないことや、見れなかった景色を見ることができます。仲間への感謝や自己鍛錬の重要性に気づけます。人間が磨かれる最高の活動なのです。

このように登山は素晴らしいスポーツだからこそ、私は1人でも多くの人に登山を経験してもらい、その価値に気づいて欲しいと願っています。

しかしそのためには、登山を成功させてもらう必要があるのです。だからこそ、(何度も言って恐縮ですが)事前の情報収集を万全にして欲しいのです。

みんな最初は初心者です。失敗もあるかもしれないけど、やりたいならひたむきに鍛錬し続ければいいのです。何をやるかは上記の項目を参考にしてください!この記事を通して、私の経験や失敗を、みなさまの登山経験に活かしてください。

みなさまにとって登山経験が人生の宝になりますように!最後までご覧いただきありがとうございました!

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