ナイフが秘めるキャンプへの可能性 <私が愛用するナイフ達>

fromiko0608


キャンプにナイフは必要か

キャンプにナイフは必要か。答えはイエスでありノーでもあると思う。
利便性という点から考えるとナイフは必ずしも使えるものだとは限らない。食材を切るためであれば、キッチンはさみのほうがまな板を使用しなくても良いので優秀だ。薪を割るのであれば、鉈や斧を使った方がはるかに手間もリスクも少ない。しかし、なぜナイフをキャンプで使いたくなるのだろうか。

道具はシンプルであるほど楽しいものである

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皆様は「単純なルールの遊びほど熱中してしまう」という現象に遭遇したことはあるだろうか。子供の頃に多くの人が体験する外遊びとして「砂遊び」がある。砂遊びのルールは1つだけだ。「砂を使って遊ぶこと」これだけだ。しかし、これだけの遊びで子供たちは何時間でも熱中する。
キャンプ道具も同じなのだ。シンプルなものであるほど、その道具が秘める奥深さは高められていく。ナイフの構造は非常にシンプルだ。刀身があり、グリップがある。それだけの道具であるのに、工夫次第で何役もの役割をこなす。食べ物を切る、薪を割る、枝打ちをする、木工細工をする、マグネシウム棒を削り取って火を起こす。すぐに挙げられる例だけでもこれだけ用途がある。
ブッシュクラフトの先人モルス・コハンスキーは「The more you know,the less you carry(物事を知るほど、持ち物は少なくなる)」と述べている。よりシンプルな道具で無限の可能性を開拓したい。そのような思いがキャンプにナイフを持ちださせるのではないだろうか。

手をかけるからこその楽しさ

ナイフの世界は非常に深淵なものである。
研ぎ方の種類一つとっても様々な種類がある。切れ味と刃持ちのバランスがとれたフラットグラインド、切れ味の鋭いスカンジビアナグラインド、切れ味はそこそこだが刃もちの良いコンベックスグラインドなどがある。これらは最初から研がれているものもあるが、自分の用途に合わせて研ぎなおすことも可能だ。今は工場で大量生産されるファクトリーナイフが主流だが、自分で研ぎ直せばより使いやすく、世界に一つだけのナイフが完成する。自分だけのために最適化されたナイフは、キャンプライフをより効率よく豊かなものにしてくれるだろう。

私が実際にキャンプで使用しているナイフ①Buck119ハンティングナイフ

このナイフは420HC鋼材でできているため、さびにくい上に刃持ちが良い。また箱出しの状態でも刃がしっかりとついており、私が持っているナイフの中でも切れ味に関しては抜群の信頼を置いている。
私はこのナイフを主に枝や薪の加工に使用している。このナイフは215gと少々重めだが、重量と切れ味のおかげで木を削りだすことに向いており、特にフェザースティックが簡単に作れる。

私が実際にキャンプで使用しているナイフ②モーラナイフヘビーデューティー

こちらのナイフは炭素鋼でできており、柔らかいため大変研ぎやすく切れ味が良い。しかし、とても錆びやすいため、濃く煮だした紅茶と穀物酢を合わせた液体に漬けてコーティングし、赤さびが出にくいようにした。
樹脂のグリップが握りやすく、手によくなじむため扱いやすい。
このナイフの特筆すべき点は価格の安さだ。なんと1本2500円前後で買うことができる。価格の高いナイフは確かに切れ味が良いが、薪割りなどのナイフに大きな負荷がかかる作業に使うには抵抗がある。しかし、このナイフならば多少乱暴に扱っても良心が痛まない。道具は使ってこそという言葉がまさに似合うナイフである。

私が実際にキャンプで使用しているナイフ③モーラナイフエルドリス

こちらのナイフの刃はステンレススチールでできており、先述のモーラナイフヘビーデューティーに比べて錆びにくい。そのため比較的管理がしやすいナイフだ。
そっとザックに忍ばせておくのに最適なサイズで、ふとした時に役に立つナイフである。私も道中の道の駅で買った食品の封を切ったり、たまたま見かけた地場野菜を調理したりする時にお世話になっている。さらに携帯しやすいように、パラコードを取り付けて首から下げられるように加工した。

キャンプにナイフを持っていこう

刃身、持ち手。ナイフはたったこれだけのシンプルな構造であるのに、一つ持っているだけでキャンプの可能性は大きく広がる。木の棒を尖らせ、足りなくなったペグを即席で作ることもできる。生木を拾ってきて切れ込みを入れ、ヤカンを吊るしながらお湯を沸かすスタンドを作るのもいい。たまたま見つけた木の実を切ってみて、中身の構造を確認してみるのも良いだろう。
上記は私がナイフをキャンプに持ち出して、実際にやったことだ。木の枝や木の実などは何も持たない状態ではただの「落ちているもの」である。しかし、ナイフ一本あるだけで「落ちているもの」は「あなたのキャンプを便利にする道具」や「あなたの知見を広げる小さな冒険の入り口」にもなりえる。ナイフをキャンプに持ち出すことは、偶然見つけた「ただの落ちているもの」を貴重な出会いに変える可能性を秘めているのだ。
さあ、キャンプにナイフを持っていこう。
皆様のキャンプライフをより豊かにするアイディアとして参考になれば幸いである。

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