スバル・新型フォレスターの燃費詳細解説 <マイルドハイブリッドシステム「e-BOXER」とは>

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新型フォレスターは「買い」か?

新型フォレスターは、手ごろなサイズで扱いやすいオフロード・オンロード性能を有し、機能性十分なクルマだ。それゆえ、家族に長く愛されるクルマだと言える。そこで、長く乗り続けるのに気になるのが燃費性能だ。ここでは、新型フォレスターが気になっている人へ向けて、燃費性能について紹介する。

新型フォレスターの強み

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スバルの看板車種フォレスターはすでに5代目となり、その新型フォレスターのグレードには「Touring」「Premium」「Advance」「X-BREAK」の4種類がある。このうち「Advance」は新型マイルドハイブリッドシステム「e-BOXER」を搭載しており、エンジンは2.0L 水平対向4気筒だ。また、「Advance」以外のモデルは2.5L 水平対向4気筒エンジンを搭載しており、グレードは「Touring」「Premium」「X-BREAK」の3つがある。
今回のモデルチェンジではターボモデルを廃止しており、その代わりに投入されたのがマイルドハイブリッドモデル「Advance」である。このハイブリッドモデルが、今回の最大のアピールポイントだ。この「Advance」はターボほどの爆発的な加速感はないものの、モーターアシストによるしっかりした加速感がある。また、電池を先代のニッケル水素からリチウムイオンに変更したことで、最高出力10kWと新旧で変わっていないが、電圧が上がった分だけパワーは約2割増しとなっている。さらに、いかにもスバルらしい走りの安定感は健在だ。
ガソリンモデル、ハイブリッドモデルはそれぞれ前後の重量バランスが異なっており、それぞれに最適なチューニングがなされ、コーナリング性能が見違えるように向上している。そして室内空間は広く、ラゲッジスペースには自転車を寝かせた状態でそのまま積載できる広さがある。とくに後部座席については、コンパクトSUVとは比較にならないほど足元が広々としている。
そのほか、スバルの代名詞でもある「アイサイト」を搭載するなど、安全性能への配慮も十分である。

燃費情報とは

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2016年、とある自動車メーカーの燃費偽装問題が発生し、世の中が騒然となった。このとき話題になったのが燃費の計測方法である。クルマのカタログなどに書いてある燃費は、いったいどんな条件で計測したものなのだろうか。
燃費を計測するモードは、2011 年4 月以降に型式指定を受けるクルマから、カタログなどに記載される燃費表示が「JC08(ジェイシーゼロハチ)モード燃費(国土交通省審査値)」に変わった。このJC08 モードは、実際の走行と同様に細かい速度変化で計測するものである。さらに2018年10月からは、新たな国際基準である「WLTCモード」に切り替わったため、JC08モードとWLTCモードの両方が併記されるようになった。また、JC08モードでは燃費の値は1つだけが表記されていたが、WLTCモードでは、「市街地モード」「郊外モード」「高速道路モード」と3つの走行モードによる燃費とそれらを総合した「WLTCモード」の4モードの数値が表示されている。
このように、「WLTCモード」燃費に切り替わったことにより、ユーザーは日常のクルマの使い方に応じた実際に近い燃費を知ることができるようになった。

新型フォレスターの燃費、カタログ値と実燃費

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それではここで、気になる新型フォレスターの燃費について整理する。「JC08モード」燃費で整理すると、2.5Lガソリンモデルは14.4km/L、2.0Le-BOXER(ハイブリッド)は18.6km/Lである。ガソリンモデルは、2.5Lエンジンで車両重量も考えれば燃費は高い方である。逆にe-BOXER(ハイブリッド)の方は、20km/Lを下回っているので少し期待はずれだ。これが、「ハイブリッド」ではなく「マイルドハイブリッド」と表記している所以といったところだろう。
次は、新しい国際規格で実燃費に近い「WLTCモード」燃費の数値を見てみる。2.5Lガソリンモデルは13.2km/L(市街地モード=9.6km/L、郊外モード=14.6km/L、高速道路モード=16.4km/L)、2.0Le-BOXER(ハイブリッド)は14.0km/L(市街地モード=11.2km/L、郊外モード=14.2km/L、高速道路モード=16.0km/L)である。これからわかるとおり、市街地ならe-BOXER(ハイブリッド)の方が実燃費が良く、郊外・高速ならガソリンモデルの方が実燃費が良い。わずかな違いだが、郊外に住んでいる人は価格の低いガソリンモデルを選ぶ方がいいかもしれない。
続いて、実際にユーザが公道で計測した実燃費について紹介する。e-BOXER(ハイブリッド)は、250kmの試乗(高速:70%、一般道:30%)で12.2km/Lあり、WLTCモード燃費:14.0km/Lと比較するとなかなか優秀で、実燃費との差は少ない方であろう。2.5Lガソリンモデルの公道での実燃費(2名乗車時)は、「渋滞のある市街地の燃費:8~10km/L」「郊外・幹線道路の燃費:10~12km/L」「高速道路中心の燃費:13~16km/L」である。若干の差があるものの、郊外モードを除けばWLTCの市街地モード、高速道路モードとはほぼ同値だ。
郊外モードでは実際の方が信号待ちなどが多くWLTCよりも燃費が悪いのかもしれないが、それでも3モードはほぼ同等であり、WLTC方式のモード燃費は限りなく実態に近い値であると言えるだろう。

ライバル車との燃費比較

次に、新型フォレスターで燃費の良い方のe-BOXER(ハイブリッド)について、ライバル車と燃費を比較してみる。トヨタ新型ハリアーの燃費性能(JC08モード)をエンジン別で見ていくと、ガソリンモデルは14.8〜16.0km/L、ターボは12.8〜13.0km/L(ハイオク)、ハイブリッドは21.4km/Lである。新型フォレスターe-BOXER(JC08モード=18.6km/L)と比較すると、若干だがハリアーの方が燃費性能は優れている。
また、日産エクストレイルハイブリッドのJC08モード燃費は20.0~20.8km/Lであり、これも新型フォレスターを上回っている。

まとめ

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以上のとおり、ガソリンモデルは総合的に見て燃費は高い方だと言えるが、一方でe-BOXER(ハイブリッド)は、ライバル車と比較して燃費性能はやや劣る。
単に燃費を向上するためならば、現在のスバルの筆頭株主はトヨタであるためプリウスやC-HRのハイブリッドシステムを搭載すれば手っ取り早いと思うのだが、スバルはあえてその道を選ばず、トヨタ車にはない独自路線を突き進んでいる。また、新型フォレスター「Advance」のスバルらしい絶妙な走りのバランスは、トヨタのハイブリッドシステムではうまくいかなかったと思う。つまり、マイルドハイブリッドシステム「e-BOXER」だからこそスバル色を十分に出せたんだと思う。こう考えれば、燃費数値ではライバル車のハイブリッドには負けるが、スバルの総合的な良さを理解できて、納得して購入できるであろう。

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